今日は年に2回行われている仏検(実用フランス語技能検定試験)の日。ということで、今まで仏検について書きたいなと思っていたことをちょっと書いてみようと思います。
(仏検をめぐる冒険の始まりです。)
まず仏検とは、、、
”日本の学習者を対象として、文部科学省および在日フランス大使館文化部の後援を受け実施されるフランス語の技能検定試験は、この「仏検」の他にはありません。
(公益財団法人フランス語教育振興協会のホームページより)
そのこともあり、フランス語学習者のほとんどが受験希望をするフランス語の技能検定試験です。仏検はフランス語を勉強する上の”指針”であると考える人が多く、または何か目標がないとフランス語学習の継続が難しいといった理由からも仏検の合格を目指す人が多いと思います。
仏検には7つの級があります。
各級には程度が設けられており、その標準学習時間がわかります。
例えばこんな風に。
仏検5級からその道は始まる。
5級(仏検はこの級から始まります)フランス語への入り口
程度:初歩的な日常的フランス語を理解し、読み、聞き、書くことができる。
標準学習時間:50時間以上
語彙: 550語
(公益財団法人フランス語教育振興協会のホームページより)
試験内容はこちら↓
読む:初歩的な単文の構成と文意の理解、短い初歩的な対話の理解。
聞く:初歩的な文の聞き分け、挨拶等日常的な応答表現の理解、数の聞き取り。
文法知識:初歩的な日常表現の単文を構成するのに必要な文法的知識。動詞としては、直説法現在、近接未来、近接過去、命令法の範囲内。
(公益財団法人フランス語教育振興協会のホームページより)
上記から読み取った内容を私の想像を含めて書いていきたいと思います。
→この5級のレベルとゆうのは、仏検の定める初歩的な日常的フランス語(550語がそれに相当する)を、理解し、読み、聞き、書くことができる。もう少し具体的に言うと、初歩的な日常表現の単文、または短い初歩的な対話を構成するのに必要な文法知識を持ち、その文意を理解できる。また初歩的な文の聞き分けや、数の聞き取りができる。用いられる動詞は、直説法現在、近接未来、近接過去、命令法の範囲内に限る。
フランス語学習者のうち、
仏検の合格を目指して学習している人(その多くは独学をしている人がそれに当たると思います)
というのは実際は、仏検を語学の指針としているのではなく、受かるための学習方法をしていることになると思います。受かるための学習方法で身につけたその学習内容や程度は、本来の仏検の定めている程度や、標準学習時間とは異なるものです。
仏検合格を目指して勉強している人は、合格をするための勉強方法をとっています。仏検の定める初歩的な日常フランス語は550語と定められているわけですが、この550語がどの語彙群であるのかはわかりません。なので”合格”を目指すには過去問を解いて単語を把握し覚えていくしかありません。”この過去問を解く”という行為が今回のタイトルに書いた”トラップ”に当たります。
フランス語学習の目的の第1が、仏検合格ではないのであれば、(本来多くの方はそうではないはずです)仏検を目指した勉強はやめるべきです。
なぜなら、過去問を解く、または仏検の参考書を読むことが、自分の本来のフランス語学習の目的とは異なるはずだからです。
多くの人はフランス語を話せるようになりたいと願っていると思います。
フランス語を話せるようになりたいのであれば、特に、仏検の合格を目指す勉強はお勧めできません。
実際に合格を目指して合格された方、振り返ってみてください。5級を勉強して、合格できた。その時あなたはフランス語を話せるようになっていましたか?
5級のレベルじゃ話せないから(実際仏検の5級の程度には、初歩的な日常的フランス語を理解し、読み、聞き、書くことができるとあり、話すことができるとは、書かれていません)4級にレベルを上げて勉強を続けている。または続けた。あなたは勉強を進めて話せるようになっていますか?またはなりましたか?
4級は合格した。でも話せるためにはまだ足りないから話せないんだな。3級を勉強したら話せるようになるんだろうな。そして勉強を進めて、3級に合格したとします。あなたはフランス語を話せているのでしょうか?3級を合格したら、話せるようになるのでしょうか?
話せるようになるかならないかは学習方法で変わってきます。
フランス語を話せるようになりたいと思うのであれば、勉強方法を変える必要があると思います。話せるようになるためには、学んだ知識を”使える知識”に変える必要があります。
5級の知識は話せない知識ではありません!だって全く話せない知識を学んでるっておかしくはないですか?そんなわけありません。
550語も学んで、5級の文法事項をわかっていたらたくさんのことを話すことができます。だって550語も知っているんですよ!この知っている知識を使える知識として勉強ができていないからまたは身につけていないから使うことができないのだと思います。それはとてももったいないことだと私は思います。知識は使うことで効果を発揮するものではないでしょうか?
仏検トラップの第1弾はここで終わりにします。
仏検は自分のフランス語の程度を客観的に判断できる素晴らしい試験です。
仏検合格を目指すために受験するのではなく、指針として大いに受験をお勧めします!
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